近年急速に採用枠が拡大してきている医療職。特に重要であるとして職場からの人材の希求度は上がる一方です。言わば、引く手数多の売り手市場だと言えますが、キャリアアップなどを見据えて医療職に転職する場合、その退職理由の伝え方には一定の注意を払っておく必要があります。それは医療という身体的なケアに携わることから、患者の心理ケアに寄与する面が一般のヘルパーなどと比較して大きいためです。
まず周知されている通り、医療職においては患者に対し、「絶対に治りますよ」などの回復を保証するようなポジティブな希望的言動は慎まなければならないという大原則があります。医療職の職員として採用するかどうか判断する面接官はこうした原則に基づいて、例えネガティブな理由から前職を退職していたとしても、それをポジティブで前向きな内容に転換してより希望が持てるような姿勢を有しているかを見て、採用するかを判断します。即ち、こうした姿勢を持っている人であれば、「大丈夫ですよ、絶対治りますよ」といった看護の世界では禁物とされる、ポジティブながらも無責任な言動を口にすることなく、被介護者に希望を抱かせるような前向きな姿勢を示すことができると考えるわけです。この点をしっかり把握して面接にのぞむように心がければ、もちろんしっかりとした実務能力を備えていることが前提ですが、心象的な面から医療系介護職への転職はある程度成功させることができます。